バーキンの構造完全解剖
知っておきたい、すべてのパーツと名前
文:アリちゃん
はじめに|「知っている」と「見える」が変わる
こんにちは、アリちゃんです。
エルメスのバーキン。世界中の女性が憧れる、ハンドバッグの頂点。でも、「バーキンって、どこがどうなっているの?」 と聞かれたら、しっかり説明できますか?
今回是、バーキンの構造を徹底解剖。ハンドルから足付け根、金具の名前から内装の仕組みまで、ひとつひとつわかりやすく解説します。
これを読めば、あなたもバーキン通。職人との会話も、もっと深まります。
第一部分|バーキンの全体像
まず、バーキンは大きく分けて「本体」「ハンドル」「金具」「内装」 の4つの要素で構成されています。
見た目はシンプルですが、その構造には100年以上の馬具作りの歴史と、使う人のことを考え抜いた機能美が詰まっています。
第二部分|ハンドル和持ち手周围
ハンドル(Two Handles)
バーキンの最も特徴的な部分。2本のハンドルが、バッグの上部に取り付けられています。
素材:同じ革を使うのが基本。トゴ、エプソン、クレマンスなど、本体と同じ革で作られる
形状:しっかりとした太さと丸みがあり、手にフィットする
強度:内部に芯材が入っており、重い荷物を入れても型崩れしない
安装:金具(ポンテ)で本体と接続されている
ポンテ(Pontet)
ハンドルを本体に固定する「橋」のような形の金具。この部分の仕上がりが、バッグ全体の「きちんと感」を大きく左右します。
役割:ハンドルをバッグ本体にしっかりと固定する
形状:丸みを帯びたアーチ型。正規品は角が立たず、なめらかな曲線
材質:通常はパラジウムまたはゴールドメッキ
ティレ(Tiret)
ハンドルと本体の間にある小さな革の接続部分。意外とここが、バッグの「しなやかさ」を決める重要ポイントです。
役割:ハンドルと本体を柔軟に接続し、開閉の動きをスムーズにする
特徴:適度な長さがあり、ハンドルが立ちすぎず、倒れすぎない絶妙なバランス
PART 3|フロント部分
フロントフラップ(Front Flap)
バーキンの前面を覆う大きな革のフラップ。この形状がバーキンのシルエットを決定づけます。
特徴:まっすぐではなく、わずかにカーブしている。この曲線が美しい
裏側:内側にも丁寧な仕上げが施されている
固定:バッグ本体にしっかりと重なるよう、精密に裁断されている
クロージャーストラップ(Closure Strap)
フラップの下にある横長の革ベルト。バッグの開閉をスムーズにする重要なパーツです。
役割:フラップを固定するためのベルト
構造:トゥルレ(ターンロック)が通るように、中央がくり抜かれている
仕上げ:端は丁寧にコバ処理され、なめらかな手触り
トゥルレ(Touret / Turn-lock)
バーキンの開閉に使われる回転式の金具。エルメスの象徴とも言えるパーツです。
構造:プレートに取り付けられた「回転式留め具」
操作:指先で軽く回すだけでロックがかかる
特徴:適度な抵抗感があり、勝手に回ったりせず、でもスムーズに動く
コード:ゴールドは「CC」、パラジウムは「CK」など、色によってコードがある
プレート(Plaque)
フラップの前面に取り付けられた金属プレート。ここに「HERMÈS PARIS」の刻印が入ります。
形状:四隅が丸みを帯びた長方形
刻印:サンセリフ体の「HERMÈS PARIS」と、その下に「MADE IN FRANCE」
取り付け:リベット(鋲)で革に固定されている
材質:ゴールドまたはパラジウムメッキの真鍮
パドロック(Padlock)と鍵
バーキンには南京錠と鍵が付属します。これもエルメスの象徴的なディテールのひとつです。
形状:四角い箱型の南京錠
番号:01、02、03、04の4種類の鍵番号がある
使い方:クロージャーストラップに通してロックすることができる
付属:鍵はバッグ内の小さな革ポケットに収納されていることも
バッグタグ / フォブ(Bag Tag / Fob)
フラップの下、本体側面に取り付けられた小さな革のタグ。元々は馬具の名残と言われています。
役割:装飾的な要素。馬具では「拍車」をかける部分の名残
形状:小さな長方形の革片
刻印:無地の場合もあれば、年号コードが刻印されている場合もある
PART 4|側面と背面
ガセット(Gusset / 側面)
バーキンの側面部分。バッグの「厚み」を決める重要なパーツです。
構造:風琴式(アコーディオンスタイル)に折りたたまれている
特徴:バッグを開けると広がり、閉じるとコンパクトに収まる
形状:底面に向かってわずかに広がるシルエット
パイピング(Piping / 辺骨)
バッグの縁取り(エッジ) に沿って施された、細い革のパイピング。
役割:バッグの形状をキープする「骨組み」の役割
仕上げ:本体と同じ革、またはコントラストカラーの革で作られることも
特徴:均一な太さで、角の処理が美しいことが正規品の証
エッジコーティング(Edge Coating / 油辺)
バッグの断面(コバ)に施された塗装。耐久性と美観を高める重要な仕上げです。
特徴:なめらかで均一、微かな粒子感がある
色:本体の革色に合わせた色が使われる
耐久性:薄く何層にも重ね、熱圧着することでひび割れしにくい
PART 5|底面と脚
ボトムビュー(Bottom View / 底面)
バーキンの底面は、5つの脚(足) で支えられています。
形状:本体底面には5つの金具(脚)が付いている
配置:四隅に4つ、中央に1つ
役割:バッグを床から浮かせ、底面の革を守る
クル・ド・セル(Clou de Selle / 脚)
バーキンの底面にある小さな金具の脚。名前の由来は馬具の「鞍釘(くらくぎ)」から。
形状:丸みを帯びたドーム型
材質:パラジウムまたはゴールドメッキ
配置:四隅の4つと中央の1つ、計5つ
役割:バッグを床に置いたときの安定性を高め、底面の革を保護する
補強帯(Reinforcement strip)
底面に沿って走る革の補強帯。底面の強度を高める重要な構造です。
位置:底面の中央を縦方向に走る
役割:底面の型崩れを防ぎ、強度を高める
仕上げ:本体と同じ革で作られ、コバ処理も丁寧
PART 6|サイドビューと立体構造
アコーディオンスタイル(風琴式構造)
バーキンの側面は、アコーディオン(手風琴)のような折りたたみ構造になっています。
特徴:バッグを開けると横に広がり、閉じるとコンパクトに収まる
メリット:必要なときにだけ広がるので、見た目がスッキリしている
構造:ガセット(側面革)が「M」字状に折りたたまれている
3/4ビュー(斜め前からの見え方)
バーキンの美しさは、斜め前から見たときのシルエットに最も現れます。
特徴:フラップの曲線、ハンドルの立ち上がり、側面の広がりが調和している
ポイント:正面からも横からも、どの角度から見ても美しいプロポーション
PART 7|裏側の構造
バックビュー(Back View / 背面)
バーキンの背面は、フロントよりもシンプルな構造です。
特徴:大きな一枚革で構成されていることが多い
ポケット:背面に外ポケットはない(バーキンには背面ポケットがありません)
仕上げ:表面と同じ革を使用し、縫い目も丁寧
内装の構造(補足)
バーキンの内装には、以下のような特徴があります。
内ポケット:背面内側に、ジッパー付きのポケットが1つ
素材:シェーブル(山羊革)または本体と同じ革を使用
刻印:内側に年号コードと職人コードが刻印されている
アリの店のバーキン|すべての構造を完全再現
アリの店では、これらのバーキンの構造すべてを、正規品と寸分違わず再現しています。
ハンドル:正規品と同じ太さ、丸み、取り付け角度
金具:ポンテ、トゥルレ、プレート、脚まで、すべて正規品と同じ形状・重量
パイピング:均一な太さ、美しい角の処理
コバ:多層塗り+熱圧着による、なめらかで微かな粒子感のある仕上げ
内装:シェーブル革の内ポケット、正規品と同じ位置の刻印
「バーキンのあの部分、どうなっているの?」という疑問があれば、ぜひお気軽にWhatsAppにてお問い合わせください。職人目線で、細部までお答えします。
まとめ|バーキンは「構造」でできている
いかがでしたでしょうか?
バーキンは、ひとつの「芸術作品」です。
ハンドルの絶妙な曲線
金具のひとつひとつに込められた機能美
側面のアコーディオン構造が生む、使う人のことを考え抜いた利便性
底面の脚が守る、革の寿命
パイピングやコバに現れる、職人の技
これらのすべてが、完璧なバランスで組み合わさって、あの「バーキン」が生まれています。
アリの店では、この構造への理解と敬意を胸に、今日もひとつひとつのバッグを丁寧に作り上げています。



