職人による手塗りコバ仕上げ|アリの店の極意
文:アリちゃん
はじめに
これまでコバ仕上げの重要性とエルメスの工程についてお話ししてきましたが、今回は実際に私たちの工房で行われている、より詳細なコバ仕上げの工程をご紹介します。
これは、長年の研究と正規品の分解分析から導き出された、最高峰の仕上がりを実現するための職人技の集大成です。
コバ仕上げ完全マニュアル|全13ステップ
準備と下地作り
步骤1:粗研磨(180目)
まず、革的断面を180目の粗いサンドペーパーで整えます。この工程で、断面の凹凸や繊維のばらつきを均一にならします。
步骤2:涂料的准备
コバ塗料(エッジペイント)をよく攪拌し、色味と粘度を均一にします。塗料が分離していると、仕上がりにムラが出てしまいます。
步骤3:マスキング(養生)
コバの両側(革の表面側)にワックスまたはマスキングテープをあらかじめ塗布/貼付します。これは、塗料が革の表面にはみ出したときに簡単に拭き取れるようにするためです。ワックスが「隔離層」の役割を果たします。
第一層目
步骤4:第一层涂布
平らに、均一に、隙間なく、コバ塗料を塗布します。このとき、「革の断面が少しでも露出しないこと」が最も重要です。是み出した涂料是立即拭き取ります。
步骤5:一次干燥
自然干燥させます。風乾燥機を使う場合は、低温でじっくりが原則です。
步骤6:第一层的整え
干燥后、表面的污垢和余分な涂料を拭き取り、平面を整えます。この時点で、すでにもう一度ワックスを薄く塗布しておくと、次の工程ではみ出した塗料の拭き取りが容易になります。
熱圧着と中仕上げ
步骤7:一次热压着(压着)
热压着机(或压着头)を清扫し、汚れが革やコバに付着しないようにしてから、力を込めてコバを圧着します。この工程で、コバ表面はより緻密に、滑らかに、そして美しい弧を描くように成形されます。
步骤8:一次热平(平押し)
热平機を使って、コバを革の内部に熱で圧着させます。ここでのポイントは:
コバに凹みやムラを残さない
革の繊維が表れるような「引っ張り感」 (拉丝感)を出す
Step 9:中研磨(320目)
320目の細かいサンドペーパーで、縦方向(コバの長手方向)に沿って研磨します。
縦方向に研磨する理由:横方向に研磨すると、革の断面の繊維が「毛羽立つ」(擦出边丝)原因になります。また、革の角が「削れて平らになる」(擦扁皮料)のを防ぎます
この工程で、コバの中間層が革の断面に美しく馴染み、薄く均一な層が形成されます。この薄い中間層こそが、ひび割れや剥がれを防ぎ、長期間の使用に耐える秘密です
第二層目と最終仕上げ
Step 10:第二層塗布
二層目のコバ塗料を塗布し、再度ワックスで養生した後、自然乾燥させます。
Step 11:二次熱圧着(丸み出し)
再度熱圧着機で、より強く、より美しい弧を描くように圧着します。
Step 12:最終熱平(超精密切れ)
超精密切れを意識して、熱平機で最終仕上げを行います。この工程で追求するのは:
丸み(圆润感)
引っ張り感(拉丝感)
滑らかさ(顺滑感)
無欠点(无瑕疵)
Step 13:仕上げ研磨と保護
最後に天然の石蝋を塗布し、布で強く摩擦して表面を磨き上げます。この工程で、コバに自然な光沢と保護層が生まれます。最後に、はみ出した蝋や汚れを丁寧に拭き取って、完成です。
仕上がりの特徴|ここがこだわりのポイント
この工程を経て完成したコバには、以下の特徴が現れます。
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| 防偽線 | 微細なライン模様が、特定の角度から確認できる |
| 微かな粒子感 | 完全なツルツルではなく、手に取ると「サラッ」とした質感がある |
| なめらかな丸み | 角が立たず、指でなぞっても引っかからない美しい弧 |
| 革の引っ張り感 | 熱圧着により、革の繊維が表面に現れたような質感 |
| 均一な色と厚み | ムラがなく、どこを見ても同じ仕上がり |
| 耐久性 | ひび割れしにくく、長年使用しても剥がれにくい |
まとめ|手間暇かける理由
このように、アリの店のコバ仕上げは全13ステップという、非常に手間のかかる工程を経ています。
なぜここまでするのか?
それは、お客様に長く愛用していただける、本物と見分けがつかない品質のバッグをお届けしたいからです。
機械で一度に厚塗りしたコバは、一見きれいに見えても、数年でひび割れや剥がれが発生します。
手作業で薄く何層にも重ね、熱圧着を繰り返したコバは、使い込むほどに革と一体化し、味わい深い表情に変化していきます。
あなたも、この職人技の結晶を、ぜひお手元でお確かめください。











